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編集部から

 「剛性が高いと疲れる」。オリンピック特集ではこの言葉に悩まされました。自転車でも車いすでも取材で出てきましたし、水着では剛性とはいわないかもしれませんが、体を固く締め付けると疲れやすくなるとか。素人考えでは、剛性が高い方が車体や水着の変形に余計なエネルギーを取られず、効率が良いはずと思えてなりません。執筆を終えても謎のままです。(木崎)

おすすめの1冊:電卓戦争に「共創」で立ち向かった男

ロケット・ササキ<br>ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
ロケット・ササキ
ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
著者:大西康之
発行:新潮社
定価:1500円+税
判版:四六判 256ページ
ISBN:978-4-10-350071-1

 本書は1960年代、電卓戦争の最前線にいた佐々木正氏の人物伝だ。シャープの前身である早川電機工業は、カシオ計算機を筆頭に多数の企業と電卓の小型化・低価格化の競争を繰り広げてきた。本書では、この競争こそが半導体や液晶といった技術の発展を支え、日本の電子立国の礎を築いてきたとする。

 特に佐々木氏が他社と戦う上で、重要だと考えたのが「共創」だ。同氏は人や企業の輪を広げることで、技術が普及し人々の役に立つと考えた。新しい技術や情報を欲している自社の技術者には、外部の人材を引き合わせて技術の発展を支えた。

 しかし、そうして一大メーカーとなったシャープも経営難から2016年6月の株主総会での承認を経て、鴻海精密工業の傘下に入ってしまう。今後も厳しい経営環境が続くだろう。

 ただし、技術そのものが失われたわけではない。終章では佐々木氏と同社のコミュニケーションロボット「RoBoHoN」が対面し、短い会話を交わしているが、そこからは同社には蓄積された技術があり、まだ戦っていけるはずとの同氏の期待が感じ取れる。今後、同社が困難を乗り越え、新たな共創を通して製品を生み出す日を期待したい。(野々村)