トヨタ自動車が開発した排気量3.5LのV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジン(図1)。新しい共通燃焼技術を採用して、トルクと燃費性能を両立した。高性能を訴求するエンジンだが、一般に燃費重視エンジンで採用するロングストロークにした。
2017年に発売したレクサスブランドの高級セダン「LS」から搭載を始めた。ハイブリッド車(HEV)に加えて、V6エンジン搭載車を用意する。V6の特徴は高い熱効率を実現し、出力と燃費性能を上げたことだ。最高熱効率は37%に達する。
気筒数が増えると摩擦損失が大きくなり、熱効率は下がる。新開発のV6エンジンは過給するにもかかわらず、自然吸気の4気筒品に比べてわずか3ポイントの効率低下に抑えた。同クラスの過給ガソリンエンジンで、世界最高水準だろう。
新型V6エンジン「V35A-FTS」は、アイシン・エィ・ダブリュ製の10速自動変速機(AT)と組み合わせる(表)。最大トルクは600N・m、最高出力は310kWと先代LSを上回る。燃費性能も高い。車両質量は2輪駆動車(2WD)で2150kg(LS500)と重いにも関わらず、JC08モード燃費は10.2km/Lに達する。先代のLS460(2WD、1950kg)は同8.4km/Lだった。