米自動車メーカー3社(デトロイト3)が、CAFE(企業平均燃費)規制への対応をにらみ、ピックアップトラックの軽量化を加速させている。小中型車よりも大型車の車両質量を軽くした方が、同規制に対応しやすいためだ。アルミニウム(Al)合金の使用で先行する米Ford Motor社に対して、米GM社と欧米Fiat Chrysler Automobiles (FCA)社は、高張力鋼板とAl合金を使い分ける。
米国のCAFE規制では、実際に同国で販売するクルマ全体の平均燃費(単位燃料当たりの走行距離)を算出し、その値を上回ることが求められる。達成できない場合は、罰金が科せられる。
現行のCAFE規制では、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)やピックアップトラックなどの「ライトトラック」、セダンなどの「乗用車」を合わせた全ての車種を対象にして、2025年までに平均燃費を現在の約2倍に引き上げて、54.5mpg(約23.2km/L)に強化する。
米Trump政権は環境規制に否定的で、現行のCAFE規制の緩和を示唆する。しかし自動車関係者の間では、「長期的に見ると規制強化の流れは変わらない」との見方が多い。こうした状況を受けてデトロイト3は、販売台数が多くCAFEの改善に最も効果があるピックアップトラックの軽量化に軸足を置く。