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 高い出力性能を重んじるV型6気筒過給ガソリンエンジンで、ミラーサイクルの採用が広がっている。日産自動車やドイツAudi社が、高級車に採用した(図1)。いずれも排気量は3.0Lで、従来エンジンに比べて出力を上げつつ、燃費性能を高めた。

図1 日産とAudi社のV6過給エンジンの外観
図1 日産とAudi社のV6過給エンジンの外観
(a)が日産のエンジン。Infinitiブランドの「Q50」と「Q60」に搭載する。(b)がAudi社のエンジン。「S4」に搭載する。
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 日産が2016年に一部改良したInfinitiブランドの高級セダン「Q50」。新しく開発した排気量3.0LのV6ターボエンジン「VR30」を搭載した。従来の排気量3.7Lの「VQ37」と比べて、燃費性能は約7%向上した。日産は、2016年内に発売予定のクーペ「Q60」にも採用する考えだ。

 燃費性能を高めるのに貢献したのが、吸気側に採用したドイツSchaeffler製の電動バルブタイミング機構(VVT)である(図2)。低負荷域で吸気弁を通常より遅く閉じ、圧縮比より膨張比を大きくするミラーサイクルで運転してポンピング損失を抑える。ミラーサイクル運転のとき、吸気弁は下死点から90度弱まで開く。

図2 日産は吸気側に電動バルブタイミング機構を採用
図2 日産は吸気側に電動バルブタイミング機構を採用
(a)ドイツSchaeffler製で、油圧式に比べて応答性を高められる。(b)低負荷域で吸気弁を遅く閉じて、ミラーサイクルで運転する。低速・高負荷域では排気弁と吸気弁が同時に開く時間を長くして、過給した空気で排ガスを追い出す掃気効果を活用する。図中の青色が吸気弁、赤色が排気弁を開く時期を示す。
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