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 デンソーが、バイオディーゼル燃料(BDF)の大量生産技術の開発に本腰を入れる。BDFの“原料”として本命視される「藻(も)」の大型培養施設を熊本県天草市に建設した(図1)。藻から造るBDFが、化石燃料のディーゼル燃料と価格で競える水準にする道のりは長い。デンソーは2030年以降を見据え、培養施設で低価格化技術を開発する。

図1 これが藻の培養施設
図1 これが藻の培養施設
熊本県天草市の廃校を活用して施設を建設した。(a)屋外に設けた周回路型の浅いプール(培養液槽)で藻を育てる。20m槽から40m槽、80m槽へと順に移すことで藻を増やしていく。現時点で完全自動化に達しておらず、藻が沈殿しないように人がかき混ぜている。(b)藻の培養液をかき回す水車。
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 2016年7月27日、開所式を開催した。デンソーは今回の培養施設を、藻の大量生産技術を確立するための「マザー工場」(同社)と位置付ける。2018年度に、年間2万LのBDFを製造できると見込む(図2)。大量生産技術を確立し、2020年頃に藻から造るBDFの価格を200円/L未満に引き下げることを目指す。現時点で600~1000円/Lと高く、普及は望めない。

図2 2018年度の実用化を狙う
図2 2018年度の実用化を狙う
(a)デンソーの計画。2008年から藻の培養研究に取り組んできた。(b)天草市の培養施設では藻を乾燥させる段階まで手掛ける。(c)ディーゼル燃料としての抽出工程は愛知県・善明製作所で実施する。
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 デンソーは将来、自らBDFを製造し、販売する事業は想定していない。培養技術やノウハウを第三者に提供し、売上高に応じたライセンス料をもらう事業を考えている。