PR

 開発品の特徴は、吹雪や濃霧などで車線が見えにくい環境下で、車線の上に正確にイラストを重ねて表示できることだ。車載カメラに加えて高精度地図データや準天頂衛星による測位技術などを組み合わせて実現する。一般にAR HUDにおける文字やイラストなどの表示位置は、カメラによる認識結果を基に制御する。カメラで周囲を認識できない場合でもAR機能を使えるようになる。

 HUD部は、50m先と遠方まで表示できるように工夫した。現行のHUDは、せいぜい数~10m先までにとどまる。ただし、乗用車に搭載するにはHUD部の外形寸法が少し大きめに見えた。量産時には小さくする必要がありそうで、表示距離は50mより短くなるだろう。

 さらに、車速などに合わせて表示距離を変える機能を用意する。ARで表示する映像は、メーター裏側の空間に搭載する凹面鏡などで反射させて拡大させる。反射機構に可動部を設けて、表示距離を変えているとみられる。映像は、DMD(Digital Mirror Device)で生成する。DMDは多数のMEMSミラーを平面に配列した表示素子。

 液晶化が進む車載メーターでは、視認性を確保しつつ表現の幅を広げることで他社との差異化を図る。開発品は、2枚の液晶ディスプレーと1枚のハーフミラーで構成する。1枚の液晶ディスプレーは奥行き感を出すために斜めに配置した。車両周囲の状況やナビ画面などを表示する。

 もう1枚の液晶ディスプレーは車載メーターの上部に下向きに搭載する。ここに映した画像をハーフミラーで反射させて運転者に虚像を見せるようにした。スピードメーターや電子ミラーの映像などを表示する。

 大型のセンターディスプレーは、米Tesla社が「モデルS」や「モデルX」に17型品を縦置きで採用したのを機に搭載車両が増えている。ただ、ディスプレーのタッチ操作は目視が必要で、わき見を誘発する側面がある。

 三菱電機は、18.5型のディスプレーに回転ダイヤルを組み合わせて「手元を見なくても車載機器を操作できるようにした」(同社)。回転ダイヤルの一部を静電容量方式のタッチパネルに反応する材料を接触させることで操作できるようにした。回転操作に加えて、左右にも動かせる。