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 トヨタ自動車とホンダは2015年11月、特定非営利法人(NPO法人)「救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)」などと共同で、交通事故における乗員の救命率を高めることを目指した救急自動通報システムの試験運用を開始した。事故発生時の車両データを利用して被害の状態を予測し、ドクターヘリの出動を迅速に判断できる。

 日本の救急通報システムには、日本緊急通報サービスが2000年から提供している「ヘルプネット」がある。乗員が車載通信機器のボタンを押すと、高速無線通信ネットワーク経由で、同社のオペレーションセンターに自動的につながる。乗員との会話によって、救急車など緊急車両の出動を要請する。乗員がボタンを押せない場合でも、エアバッグの作動を検知して、オペレーションセンターに自動的につなぐ。

 一方、欧州には「eCall」という公共システムがある。ヘルプネットに似たシステムであり、エアバッグの作動を検知し、車載通信機器を介して自動的に救急サービス番号「112」に接続する。同番号への接続には、欧州で主流の「GSM方式」のネットワークを使う。音声で乗員と会話もできる。

 これに対してトヨタとホンダが試験運用を始めた新システム「D-Call Net」は、ヘルプネットを発展させたものである。事故発生に関するデータによって、乗員の被害状況を予測できるところが、他のシステムと異なる(図1~3)。

図1 救急自動通報システムの仕組み
図1 救急自動通報システムの仕組み
事故発生時の車両データと過去の事故データをすり合わせ、乗員の死亡重症確率を予測できるのが特徴である。
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図2 ホンダの実験用車両
図2 ホンダの実験用車両
2013年6月に発売した新型「アコード」をベースに開発した。
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図3 トヨタ自動車の実験用車両
図3 トヨタ自動車の実験用車両
2015年8月に発売した「レクサスLX」をベースに開発した。
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