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 拡張現実(AR:Augmented Reality)が新技術によって、さらに実用的になる可能性が見えてきた。これまでのARは、物体認識のためのマーカーをあらかじめ仕込むといった手間があり、応用も“おまけ”の情報を表示するものが多かった。ここへ来て、応用を広げる可能性のある技術が幾つも登場している。AR像の表示に必要な物体の3次元モデルを手軽に構築できる技術などで、新たな提案が出てきた。

 現実の空間や物体に人工的な画像や文字をリアルタイムに書き加える拡張現実(AR:Augmented Reality)が、変貌を遂げようとしている。今後は、ARの応用が色々な業務に広がる可能性が見えてきた。

 ARの歴史は古く、最初に基本概念が提唱されたのは、今から20年以上前の1992年とされる。既に実用化された例も少なくない。しかし、この数年は「米Gartner社の『ハイプサイクル』でいえば幻滅期にある」と、ARの研究者の大阪大学 サイバーメディアセンター 准教授の清川清氏は表現する(図1~図4)。

図1 応用を様々な業務に広げ、幻滅期から脱出目指す
図1 応用を様々な業務に広げ、幻滅期から脱出目指す
これまでのARは、物体認識のためのマーカーをあらかじめ仕込むといった手間があった。また、現状での応用範囲も狭く、“おまけ”の情報を表示するといった応用がほとんどだった。現在は米Gartner社の「ハイプサイクル」の幻滅期にある。しかし、今後はARの応用が色々な業務に広がり、幻滅期を乗り越えて、普及に向かいそうだ。大阪大学 准教授の清川清氏の資料を基に本誌が作成。
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図2 ARの技術トレンド
図2 ARの技術トレンド
映像合成や位置合わせなどの精度向上、安定性向上、速度向上の開発の継続によって、実用的な技術に洗練されてきた。今後、ARの応用を様々な業務に広げるには、物体認識やディスプレーの技術革新が鍵を握る。なお、ディスプレーの向こうが透けて見えるものを光学透過式と呼ぶ。一方、ディスプレーの向こう側を撮影し、それを表示することで透けて見えるかのようにしたものをビデオ透過式と呼ぶ。奈良先端科学技術大学院大学 教授の加藤博一氏の資料を基に本誌が作成。
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 その一因は、現状での応用範囲の狭さだろう。これまでのARといえば、「おまけ」の情報を表示するといった応用がほとんどだった。スマートフォン(スマホ)をカタログにかざすと、商品の立体像が浮かび上がって動き出す。カップ麺のふたにかざすと、商品キャラクターのアイドルが呼びかける。スポーツ選手のポスターにかざすと、選手からのメッセージが表われるといった具合だ。