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――自動運転が盛り上がってきたのは需要が高まっているからで、技術は既にできていると考えていいんですか。

 そうです、はい。2月27日の内閣府の勉強会で、もう1つ認識してほしいことを言ったんです。よく言っているんですが、ロードマップのレベル1、2、3、4って(数字が大きくなるほど)難しくなるようになってますよね。違うんですよと。実際にはレベル3の方が現実問題、4より難しい。これが意外と理解されていない。

 というのは、レベル3はより高度な人間の運転支援なので、車の中でいろいろ人間をモニタリングするコストがかかるんです。カメラで見ました、ハンドルで心拍、心電を見ました。背中の動き方を見たり、居眠りをしてるのかを見たり。そういうモニタリングコストがかかる。しかもそれを完全にやるのは難しいじゃないですか。実際には、(ドライバーは)前を見てるのにうっかりして、寝てなくても目がぼーっとして、「あっ」てなるじゃないですか。そういうのは画像だけじゃ判断できない。

 レベル4はこれはいらない。外だけを見る。(人の運転と自動運転を)切り分ける必要がないので、実はシンプルで合理的なんですよ。

――今後のロードマップは。

 3年でパッケージ化しないと、実際に(2020年には)運用できません。2018年にサービスパッケージを全部フィックスします。19年からは自動運転タクシーを量産していきます。20年の7月には3000台が揃うんです。

――それで東京オリンピックに備える。

 はい。

――サービスパッケージをフィックスするというのは仕様が完全に固まるということですか。

 そうです。そこから量産に入りますんで。スマートフォンでどういうふうに呼ぶんだとか、課金をどうするんだとか、そういうサービスも含めて。どういうところを自動運転するとか、こういうところは自動運転しないとか。そういうのをはっきり決めちゃうわけです。経路も決めます。

――どの場所でも自由に運転できるわけじゃないんですね。

 はい。やっぱり想定外のところで事故が起きたら問題ですので。そういう意味で経路、環境を決めてしまうんです。ロボットって従来、そういうものなんです。いまだかつて、どこでも使えるロボットって世界の中にないんですよ。

 産業用ロボットをよく例にするんですけど。今までは溶接工の方がうまかった。あるときにその能力を溶接のロボットが超えるわけです。そうすると、溶接工とロボットが一緒に働く意味がないんです。溶接工がよそ見をしたりしたら、ぶつかっちゃったりする。だから溶接は溶接ロボットに任せましょうとなるわけです。共存っていうのはあり得ないです。で、そこに人が入らないようにちゃんと囲って、そうすると24時間休みなく働いてくれる。ロボットカーも同じなんです。環境を決めてしまって、そこに人間も介在させない。というのは人間の性能を超えちゃってるわけですから。