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IoTのエッジ用途を狙う

 新アーキテクチャーを用いたシステムが狙うのは、いわゆるIoT(Internetof Things)で収集したデータを、ネットワークのエッジ側で処理する用途である。多くのセンサーから時々刻々生成されるデータをすべてクラウド側のサーバーに送って処理するのは無駄が多く、ネットワークやサーバーの負荷が大きい。

 エッジ側でも処理を分担することで、こうした負荷を減らせる。加えて、処理結果に基づき、リアルタイムに制御を実行することも可能になる。例えば後述する風力発電所の例のように、今後は発電所ごとのデータ処理はエッジ側で、複数の発電所をまたがる処理はクラウド側でといった役割分担が進むと考えている。Flashmatrixに基づくシステムは、主に前者で使うことを想定している。

 現在、新アーキテクチャーを採用した特定用途向けのシステムを、パートナー企業と共同で構築中である。1年半~2年後をめどに実稼働するシステムを立ち上げる計画だ。ソフトウエアも含めて開発し、プロセッサーの種類や個数、NANDフラッシュメモリーの容量などの最適値も検討していく。こうした共同開発を通じて新アーキテクチャーに対する要望や性能のチューニングに関する知見を深め、汎用的に利用できるシステムの製品化につなげたい。

処理すべきデータ量が爆発

 我々が新アーキテクチャーの開発に着手したのは、今後のIoTの普及によって、システムの処理すべきデータ量が急拡大すると判断したからである。IoTがさまざまな場所に張り巡らされ、無数のセンサーからデータが集まるようになると、処理すべきデータの量は一気に膨れ上がる。個々のセンサーから生じるデータがわずかでも、センサーの数が増え、長期間にわたって常にデータを出力し続けると、程なくデータ量は数百G~数Tバイトにもなる。

 例えば1つの風力発電機(タービン)に100個程度のセンサーがあり、それぞれが20msごとに8バイトのデータを生むだけで、1カ月分のデータ量は100Gバイトを超える。1つの風力発電所に数十基のタービンがあれば、数Tバイトに達する計算だ。これだけのデータをリアルタイムに処理して制御などに生かすには、高い性能と大容量のストレージ装置を備えたシステムが必要になる。何年にもわたるデータを蓄積し活用しようとすれば、システムの規模は一層巨大になる。