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分野横断的な技術開発によって日本の産業競争力を高めるべく、内閣府が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」。10個あるテーマの中で異彩を放つのが「革新的設計生産技術」だ。特定の業界や用途のための技術開発ではなく、汎用的な新しいものづくり手法の確立を目標に掲げる。その狙いをプログラムディレクター(PD)の佐々木直哉氏に聞いた。

(写真:栗原克己)
(写真:栗原克己)

 我々が革新的設計生産技術で目指しているのは、新しい価値を生み出すものづくりの方法論をつくることです。従来、日本の製造業が得意としていたのは、品質や性能をひたすら高めることでした。今まではそうやって世界で勝ってきましたし、品質や性能は今後も引き続き大事なのですが、それだけでは勝てなくなってきています。

 例えば、米Apple社の「iPhone」が爆発的にヒットしたのは、品質や性能が優れていたからでしょうか。もちろん、それもあるでしょう。しかし、最も重要な点は、“驚き”や“喜び”といったユーザーにとっての感性価値を実現したことだと思います。それによって、Apple社は新しい市場を創出したのです。

 日本の製造業は、品質や性能こそ高いものの、新しい市場をつくるのはあまり得意ではないように思います。だからこそ品質や性能を高める路線に特化してしまったのかもしれませんが、今後はそれだけでは海外との競争を勝ち抜けません。ユーザーに感性的な価値を提供し、新しい市場を創出するようなものづくりにシフトしなければなりません。革新的設計生産技術では、そのための汎用的な方法論を確立したいと考えています。