PR

黒色インクで近赤外線を吸収

 バンプの形や高さは、熱を加える位置や量によって制御する(図3)。ここでは、近赤外線による放射加熱と、その吸収特性が高い炭素を含む黒色インクを活用する。

図3 成形・印刷のプロセス
図3 成形・印刷のプロセス
基本工程は、[1]バンプデータの印刷、[2]マイクロカプセルの膨張、[3]表面フィルムの除去、[4]カラー印刷の4つ。まず、膨らませる形状に応じて、フィルム表面に黒色インクを印刷する。この状態でランプから近赤外線を照射すると、黒色インクが近赤外線を吸収して発熱し、その下にあるマイクロカプセルが膨張。シートの表面が盛り上がる。黒色インクはカラー印刷には不要なためフィルムを剥がし、盛り上がった表面にフルカラー印刷する。(カシオ計算機の資料を基に本誌が作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 まずインクジェットプリンターによって、シート表面のフィルム上に黒色インクでバンプデータを印刷する*3。形成したいバンプが高いほど、黒色は濃くなる。この状態でハロゲンランプから波長1200nmの近赤外線をシート表面に照射する。バンプデータによって発熱量の分布、つまりマイクロカプセルへ伝わる熱量が変わり、シートに狙った高さのバンプが形成される。

*3 バンプデータは、パソコン用の専用ソフトで作成する。凹凸の高さなどを自動的に判断する機能や、実際のバンプのイメージを表示する機能なども備える。

 バンプ形成の終了後、表面のフィルム層を剥がし、カラーデータを印刷する。さらに、基材(裏)側にもバンプデータを印刷して近赤外線を照射し、もう1度バンプを形成させることも可能だ。フィルム層側から照射したときのバンプはエッジがシャープで点や線を表すのに適するのに対し、裏面から照射したときは近赤外線が基材を通って拡散し、緩やかなバンプになるという*4。両面から照射したときの出力時間が約6分となる。なお、バンプ層が7層の場合、最大1.7mmのバンプを7段階で形成できるという。

*4 フィルム層側から照射する場合、あまり高いバンプを形成するとカラー印刷しづらくなるという。