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 「コストを優先した結果の排出ガス規制逃れだ」。トヨタ自動車でエンジンの設計開発に従事し、ディーゼル車用触媒システム「DPNR」の開発も手掛けた愛知工業大学工学部教授の藤村俊夫氏は、ドイツVolkswagen(VW)社の排出ガスの不正問題についてこう指摘する。

 VW社は、排気量2.0Lの4気筒ディーゼルエンジン「EA189」に、排ガス認証試験中であることを検知するソフトウエアを搭載。同試験中は排ガス浄化システムを作動させ、窒素酸化物(NOX)を低減して排出規制をすり抜けた。ところが、実走行時は排ガス浄化システムを作動させず、同エンジンは米環境保護局(EPA)の規制に対して10~40倍のNOXをまき散らしている。

 ディーゼルエンジンの利点は、燃費がガソリンエンジンよりも2~3割良く、低速トルクに優れる(走行性能が高い)ことだ。半面、粒子状物質(PM)とNOXが発生するため、排ガス浄化システムを要する。つまり、コストが上昇する点が課題である。