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 リアルタイムのデータに基づいて自律的に稼働する「スマート工場」。その実現に向けて、オムロンが大きな一歩を踏み出した。2015年9月末にFA事業の経営戦略を発表した際、「2020年までに全てのFA機器に高度な通信機能を搭載し、工場のIoT(Internet of Things)対応を進める」と宣言したのだ。

 あらゆるFA機器をネットワークにつなぎ、そこから集めた大量のデータを分析することで、品質や生産性を飛躍的に高めるとともに、機器の故障によるライン停止を未然に防ぐ。それがオムロンの思い描くスマート工場である。

 こうしたコンセプト自体は、必ずしも目新しくない。オムロンの経営戦略で特筆すべき点は、センサーやスイッチ、リレー、電源装置といったFAシステムの末端に連なる機器のIoT対応を重視していることだ(図1)。その数は、約10万機種に及ぶという。

図1 オムロンが思い描くスマート工場
図1 オムロンが思い描くスマート工場
単に情報システムとFAシステムをつなぐだけではなく、データを生み出す末端のFA機器のIoT対応を重視している。
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 従来、スマート工場に関する取り組みでは、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)や生産設備の専用コントローラーなどFAシステムの上位にある機器のIoT対応に主眼が置かれてきた。スマート工場を実現する上では、経営の中枢を担うITシステムと現場の制御を司るFAシステムの連携が大きな課題になっており、FAシステム側の“接点”になるのがこれらのコントローラーだからである。オムロンも、ITシステムとの連携性に優れるPLC「Sysmac NJ」シリーズをいち早く発売するなど、上位機器のIoT対応は進めていた1)*1。だが、センサーやスイッチといった末端機器のIoT対応は手付かずだった。

*1 ITシステムとの連携に関する機能として、PLCに蓄積した生産設備の稼働データを米Microsoft社のデータベース(DB)管理システム「Microsoft SQL Server」に直接出力できることなどが挙げられる。

 どれだけITシステムとFAシステムを密接に連携させても、現場から集められるデータの質や量が変わらなければ、自律的に稼働するスマート工場を実現できない。そのためには、FAシステムの上位機器だけではなく末端機器についても通信機能を強化し、これまでにない質や量のデータを確保する必要があるのだ。