PR

終電後、公開検査を開始

 7日の公開作業では、午前1時30分過ぎに全ての営業車両が車庫に入ったのを確認した後に点検作業を開始した。

 渋谷駅ホーム下では、作業員が高圧配電ケーブルを点検。まず、ケーブル保護を目的としたコンクリート製管路から高圧配電ケーブルを取り出す。そして汚れた同ケーブルの表面を拭きながら、目視と手の感覚(触手点検)でケーブルに異常がないかを確認する。1つの作業グループが一晩に点検できるケーブルの距離は約200mという。

 従来の巡回点検ではコンクリートから取り出さず、目視だけの検査だったが、事故後これを改めて触手点検を加えた。

 絶縁抵抗測定を行う精密点検は、5年に1回だったのを、2年に1回と頻度を増やした。三軒茶屋駅での事故を受けて、ねずみの侵入を防ぐ仕切り板は現在取り除いており、代わりにねずみの侵入箇所を埋める処置を施しているという。

 線路から約6m上部にあるき電ケーブルは、軌陸車と呼ぶ作業車を用いて点検する。高圧配電ケーブルと同様に、従来は目視だけだった検査方法を改め、触手点検を実施する。公開された軌陸車を用いた点検作業では、き電ケーブルの他、電車線、列車無線用ケーブル、蛍光灯の送電ケーブルも確認していた。

軌陸車 車道と線路を両方走行できるように改造された自動車。車体を改造する専門メーカーが製造している。

 その他、同社はトンネルの漏水箇所を公開した。トンネルは地下約16mにあり、「(漏水によって)トンネルの構造やケーブルなどに問題が起きるわけではない。しかし架線の腐食の原因になるため、止水工事を進める」(同社)としている。2018年中に工事を開始して2019年に完了する予定という。

 同社電気部統括部長の伊藤篤志氏は、今まで目視の点検だけだったことに対して、「トラブルが発生していなかったため、ケーブルの触手点検をしていなかった」と反省を示す。さらに「設備の使用年数に応じて、点検を重み付けするといった対応も考えていきたい」(同氏)などと語った。