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 「ここが我々の未来の中心だ」─。英Dyson社の創業者でチーフエンジニアのJames Dyson氏がこう語るのは、同社がシンガポールに新設した研究開発拠点「シンガポールテクノロジーセンター」だ(図1)。目詰まりによる吸引力低下を起こさない遠心分離式掃除機や、羽根のない扇風機、高い吸引力を備えたロボット掃除機、適温で早く乾かせるヘアドライヤーなど、自ら開発したモーター技術をコアに付加価値の高い製品を生み出してきたDyson社が、3億3000万ポンド(約478億円)を投じて打った「次の一手」である。

図1 James Dyson氏
図1 James Dyson氏
シンガポールの新研究開発拠点の開設式で挨拶した。
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 英国の研究開発拠点で新技術の「種」を生み、シンガポールの新研究開発拠点がその種を具体的な製品に「育てる」。すなわち、シンガポール拠点は実用化技術の開発を主に担う。

 新研究開発拠点の具体的な狙いは、現在英国で不足している技術者を、シンガポールを中心にアジアで雇用し、幅広い研究開発に対応すること。加えて、両国間にある8時間の時差を利用し、24時間体制のオペレーションを実現して研究開発を加速することだ。これらにより、同社は革新的な製品や技術の創出を促進する考えである。