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 技術力への過信と見通しの甘さの代償はあまりに大きかった。

 2016年3月期の連結決算で、三菱重工業(以下、三菱重工)は客船事業で1039億円という巨額の特別損失を計上した。同社は客船事業で以前から繰り返し特別損失を計上しており、累計では2376億円にも達する。

 いずれも2011年にドイツのクルーズ会社から受注した最新鋭の大型クルーズ船に関連するものだ(図)。2隻のクルーズ船の合計受注額は約1000億円で、その売り上げをはるかに超える巨額損失の計上を余儀なくされた。

図 高級クルーズ客船の「AIDA Prima」
図 高級クルーズ客船の「AIDA Prima」
全長300m、総トン数約12万5000t、乗客定員約3300人で、日本で建造された客船としては過去最大になる。(a)外観と(b)高級感があふれる内装が際立つ船内のレストラン。
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