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金属3Dプリンターで試作金型を即日製作

 プロトタイプを素早く出すラピッド・プロトタイピングの技術を使い、ダンボールなどの模型ではなく、実際に使用できるプロトタイプでコンセプト検証を進める取り組みは既に始まっている。パナソニックでは3D形状の測定、3Dプリンターによる造形、実製品と同等の体験ができる品質の加飾印刷技術を組み合わせ、データ作成からプロトタイプ作りまでを短期化したと小川氏は説明する(図2)。

図2 データ作成から短時間でプロトタイプを作る仕組み
図2 データ作成から短時間でプロトタイプを作る仕組み
「測る」「積む」「塗る」を高速で回す(パナソニックの資料を基に日経ものづくりが作成)

 同氏はさらに「1個だけ作るのではなく、100個とか1000個を造って顧客からフィードバックをもらうのがアジャイル型の開発のキモ」(同氏)と指摘。試作金型の製作を超短期化するパナソニックの現在の取り組みを紹介した。通常は月単位の期間がかかる金型製作にも金属3Dプリンターを応用し、「データがあれば即日、データを作るところからでも1週間」(同氏)で造れる体制にしたという。

 このプロトタイプ用の金型は「100個や1000個のプロトタイプを世に出していくには十分。3Dプリンターには、ありとあらゆる金型を代替できる材料の自由度はまだないため、従来でいう量産用の金型(量産型)と同等の信頼性はない」(同氏)というレベル。こうした作ったプロトタイプでコンセプト実証を高速で回せるようになった。

 プロトタイプの品質については、「従来の基準をどこまで緩和するかという観点も重要」(同氏)と言及。「デザイナーが込めた想い、体験してほしかった顧客価値を余すところなく体験してもらえるようにする」(同氏)方を優先しているという。トレードオフで耐久性などは劣るが、「これまでの量産品のように、叩いても落としても壊れないというレベルと比べると、例えばもしかすると100個の中には使っている中で壊れてしまうものがあるかもしれない」(同氏)と割り切っている。