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パシフィコ横浜で開催
パシフィコ横浜で開催
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 「医療、看護、介護といった領域以外で社会を変革しようと活動している11人が登壇」――。そんなキャッチフレーズを掲げた企画が、「第23回 日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会 in 横浜」(2015年8月29~30日、パシフィコ横浜)で繰り広げられた。「在宅ホスピスを促進する新たな地域づくり・リレートーク」がそれだ。“医療と看護、介護の連携”という狭い文脈で捉えがちな「地域包括ケア」を、街づくりやデザイン、教育などを含めた幅広い視野から見直そうという企画である。

 今回の研究会の大会テーマは「共に創る 最期まで『すまい』で生きる社会」。高齢者が要介護状態となっても、住み慣れた地域で暮らし続けられるように支援する「地域包括ケア」の思想そのものだ。日本ホスピス・在宅ケア研究会が1992年に発足した時点では、地域包括ケアという概念は存在しなかった。だが同研究会が「在宅ケア」という言葉で推進してきた、高齢者が住む地域や自宅を中心に据えたケアのあり方は、「地域包括ケアと重なる」(日本ホスピス・在宅ケア研究会の谷田憲俊氏)という。

街づくりやデザイン、広告の視点で見る

 リレートーク登壇者の顔ぶれは多彩だ。地域が抱える課題をデザインの力で解決する「ソーシャルデザインプロジェクト」を推進する「issue+design」代表の筧裕介氏、「病気にならないまち/病気になっても安心して暮らせるまち」づくりを目指す「+Care Project」リーダーの西智弘氏(川崎市立井田病院)、「まちづくりとしての医療」を主導する医療従事者の育成を目指すMedical Studio 代表理事の野崎英夫氏、デザインやコピーライティングの視点を取り入れた「広告医学(AD-MED)」を提唱する横浜市立大学准教授の武部貴則氏、などの面々だ(関連記事1)。

 シンガポールに拠点を置くヘルスケアベンチャーHealint社 CEOのFrancois Cadiou氏は、父親が脳卒中で倒れ、後遺症で半身麻痺になった経験から、誰もが使いやすいインターフェースを備えたライフログツールの開発を目指すようになったと説明。片頭痛の症状改善を目的としたモバイルアプリ「頭痛ろぐ」(英語名はMigraine Buddy)について、現在約10万人いるユーザーを、2016年末までに「100倍に増やしたい」と話した(関連記事2)。同社のアプリの特徴は、症状の悪化を事前に捉えられる点にあるといい、今後は脳卒中やがん、不眠症、さらには「うつ病のパターンを事前に捉えられないかと考えている」。

 大手企業による講演もあった。日本マイクロソフト 技術統括室 ディレクターの田丸健三郎氏は在宅ケアを可能にする従業員の働き方改革について、ダイハツ工業 代表取締役社長の三井正則氏は地域包括ケア時代に自動車メーカーが担う役割について、それぞれ語った。