Simulink Design Verifierの実行画面例 MathWorksの写真。
Simulink Design Verifierの実行画面例 MathWorksの写真。
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 米The MathWorks社の発表によると(日本語ニュースリリース)、トヨタ自動車(以下トヨタ)とデンソーが量産開発に適用している「MATLAB」や「Simulink」のバージョンをR2010bからR2015aへ移行したと発表した。これでMBD(Model Based Design)運用コストの削減や、差分開発への対応といった課題に対応する。

 従来から、トヨタとデンソーは、ECU量産ソフトウエアの開発において、モデリングやシミュレーション、C言語コード自動生成などにMathWorks製品を利用してきた。そしてMBDの普及に伴い、MATLAB製品について、次のような課題が浮上してきたという。

  • 生産性の向上:MBDの全工程における、ワークフローの効率改善や、ツールの使い勝手の改善により、運用時の生産性を向上させる
  • 差分開発への対応:日常のMBD業務の90%以上である、既存モデルからの差分開発を積極的にサポートする
  • 継続的な機能改善:「Embedded Coder」(C言語コード自動生成)、「Simulink Design Verifier」(モデル検証)などMBDの鍵となるツールの機能改善を期待する。

 MathWorksは、R2015aのMATLAB/Simulinkにおいて、エディターの刷新による使い勝手の向上や、シミュレーションの短時間再開機能などによる性能改善、さらにSimulink TestやSimulink Design Verifierが提供するモデルスライス機能などによる差分開発対応機能の強化を図った。R2015aの量産適用は、上述したトヨタとデンソーの課題を解決できるとする。

 ニュースリリースには、トヨタの畔柳 滋氏(制御システム基盤開発部部長)のコメントが紹介されている。「2003年に始まったトヨタ、デンソー、MathWorksの協調開発活動により、自動車業界のニーズがツール開発に直結し、現場の声に即した機能向上が図られてきた。第3世代のR2010bでは、量産開発で自動コード生成可能なレベルに達し、さらに今回のR2015aでは、差分開発と設計検証のし易さが改善した。車両開発に対応した機能が盛り込まれたことで、生産性の向上に大きな効果が出ることを期待している」(同氏)。