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黒字化に向けた3ポイント

 松葉氏は「植物工場は“農業”ではなく“工業”」と言い切り、「黒字化」のポイントを「歩留り95%以上」と「垂直立ち上げ」、「ランニングコストの圧縮」の三つとする。

 植物工場における歩留りとは、一定期間に基準重量となる株の割合のこと。従来の植物工場では歩留りが6~7割と低いという課題があった。歩留りを下げる主因となるのが、栽培環境の不均一性。顕著なのは温度で、天井高さ5mの工場の場合、植物を設置する最上段の棚と最下段の棚では4~6℃の温度差があるという。同社では特殊空調と施工前のコンピュータシミュレーションにより、温度差を1.5℃以内に収められるとする。照明などほかの要因も組み合わせ、場所によらずすべての株が均一に成長する環境を作り上げられるとする。

一段の棚の中でも、手前、奥で生育状況に差がないことを強調する、同社の展示資料。
一段の棚の中でも、手前、奥で生育状況に差がないことを強調する、同社の展示資料。
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 もう一つ、従来の植物工場で問題となっているのが、立ち上がりの遅さだ。異業種参入など、野菜育成のノウハウがないままに植物工場を始めるケースが多く、予定通りに植物が育成せず立ち上げに1~2年かかるのが一般的という。パナソニックの場合は、同社で開発した栽培レシピを提供、使用者はパソコン上で育成する品種や期間などの設定をマウスでクリックするだけで最適な温湿度・LED照射時間・CO濃度・養液などに自動で調整するシステムを用意している。徹底した温度・照度の制御と合わせ、「初日から生産できる」(松葉氏)。