PR
パネルディスカッションの様子(写真:柴仁人)
パネルディスカッションの様子(写真:柴仁人)
[画像のクリックで拡大表示]

 自動運転時代には車載Ethernetが不可欠――。そんな話題が、車載Ethernet分野の国際会議「5th Annual IEEE-SA Ethernet&IP@Automotive Technology Day」内のパネルディスカッション「Ethernet of Things ~イーサネットの普及に必要なモノ・コト~」で上った。車載電子制御システムのソフトウエアや通信ネットワーク技術の標準化などを目指す業界団体「JASPAR」で、車載Ethernet関連の技術要件を検討しているワーキンググループ「次世代高速LAN WG」のメンバーが登壇。車載Ethernetへの期待や、普及に向けた課題などを議論した。

 車載Ethernetに対する期待として挙げられたのが、例えば車載Ethernetの高速性である。実際、100Mビット/秒、1Gビット/秒、10Gビット/秒と、車載ネットワークとしてはデータ伝送速度が高い。

 本田技術研究所の江口強氏は、「現在、高速通信が必要なアプリケーションは、主に画像データの転送である。しかし、今後自動運転を実現していく中で、さらにに多くのECUやセンサーをつなぐ必要性が出てきた場合に、CANを何本も利用するよりは、高速なEthernet1本で済ませるほうがいい。速度だけならば『FlexRay』も候補になるが、コストの面で難しいのではないか」と語った。

 日産自動車の松本孝氏も、車載Ethernetの高速性に関心を寄せる。「駆動側はそれほど速い通信速度を求めない。一方で、センサーやカメラから情報を得る認識側は、3次元データを含めて、今後ますます膨大な情報を処理することになる。そのため、高速なEthernetに注目している」(同氏)。

 高速なEthernetだが、通信速度が高まると、さまざまな課題が出てくる。例えば、熱の問題だ。日産自動車の松本氏は、「高速になるほど、データを処理するマイコンも高速化しなければならない。例えば、500kビット/秒のCANの場合は動作周波数20MHzのマイコンが、2Mビット/秒の『CAN FD』の場合は80MHzのマイコンが必要になる。つまり、通信速度のおよそ40倍の動作周波数がマイコンに求められる。100Mビット/秒のEthernetになると、必要な動作周波数は4GHzになる。ここまで動作周波数が高まると、熱が問題になるのではないか」と指摘した。