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図1 トヨタ自動車が出展したカラクリ機構の受け渡し装置
図1 トヨタ自動車が出展したカラクリ機構の受け渡し装置
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図2 リンク機構でワークの向きと表裏を替える仕組み
図2 リンク機構でワークの向きと表裏を替える仕組み
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図3 ラックピニオン機構を利用して、ワークの表裏を替える仕組み
図3 ラックピニオン機構を利用して、ワークの表裏を替える仕組み
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 トヨタ自動車は、工場内の消費電力を削減するカイゼン例を「エコプロダクツ 2015」(2015年12月10~12日、東京ビッグサイト)で紹介した(図1)。展示したのは、工作機械で加工した製造途中のエンジンコンロッドを、“からくり機構”で次の工程に受け渡しする装置だ。従来はベルトコンベヤーやアクチュエーターなど動力機構を使ってワーク(工作物)の運搬や反転をしていたため、設備が大掛かりになったり余計な電力を消費したりしていた。同社は動力源がいらないからくり機構の受け渡し装置を自作することで、消費電力の少ない生産ラインを構築できたという。約10年前から導入が進み、エンジンを製造する同社の上郷工場(愛知県豊田市)、下山工場(愛知県みよし市)、田原工場(愛知県田原市)などで使用しているという。

 部品の製造工程では、工作機械の性能が高まるにつれて複雑な加工や、一度に複数の加工ができるようになった。しかし、工作機械間でのワークの受け渡しは依然として大掛かりなベルトコンベヤーや人手によるものが多い。動力源を使用するものは電力を消費する他、機械に身体を挟むと大けがを負う恐れもある。一方、人手による作業では人件費がかかる上、生産効率も落ちる。

 そこで同社では、工場の従業員が工作機械間をつなぐ受け渡し装置を自作してこの課題を解決した。今回出展したからくり機構ではワークの受け渡しの途中で、ワーク自体の質量を利用して向きを反転したり、表裏を入れ替えたりできる(図2、3)。