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電力損失を削減できる理想ダイオードブリッジ制御IC
電力損失を削減できる理想ダイオードブリッジ制御IC
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 米Linear Technology社は、電力損失や発熱量を削減できる理想ダイオードブリッジ制御IC「LT4320」を発売した(ニュースリリース)。4個のダイオードで構成する全波整流器を、4個のnチャネルMOSFETで置き換えることを可能にするICだ。いわゆるアクティブブリッジ整流器を実現できる。

 ダイオードの順方向電圧降下による電力損失に比べて、MOSFETのオン抵抗による電力損失の方が小さい。このため、発熱量や電圧ドロップを低減することが可能だ。さらに発熱量が減るため、大型のヒートシンクが不要になり、電源装置の外形寸法を小型化できるメリットもある。具体的に、ダイオード(SBM1040)とMOSFET(オン抵抗は2.5mΩ)の温度上昇を比較すると、2Aを流したときにダイオードの温度上昇は15℃で、MOSFETは0.6℃である。10Aを流したときは、ダイオードの温度上昇は84℃なのに比べて、MOSFETはわずか16℃に抑えられる。

 動作電圧範囲は+9〜72V。対応する周波数の違いで2製品を用意した。1つは、直流(DC)〜60Hzに対応するLT4320と、DC〜600Hzに対応する「LT4320-1」である。待機時の消費電流はいずれも1.5mA。パッケージは、実装面積が3mm×3mmの8端子DFNのほか、12端子MSOPと8端子プラスチックDIPを用意した。動作温度範囲は−40〜+85℃。1000個購入時の米国での参考単価は2.95米ドルからである。