1500Vシステムが普及へ

 2018年の技術・運営面での大きなトピックスは、九州電力が本土で初めて出力抑制(出力制御)を実施したことだ。2019年には、九電に続き、四国電力と沖縄電力が太陽光発電に対する出力抑制に踏み切る可能性が高い。中国電力と東北電力も準備を進めているが、実際に踏み切るのは2020年からになりそうだ。

 九電の出力抑制指令によって、週末に現地で資格保持者が停止する手間とコストが改めて認識され、今後、後付けで遠隔制御システムの導入が進みそうだ。

 また、運営面では、バイパスダイオードが働いてセル(発電素子)の3分の1が発電しなくなる「クラスター断線」を発見する検査技術が進歩し、O&M(運営・保守)に組み込むサイトが一般化している。接続箱からインピーダンスを測定する手法やドローン(無人小型飛行体)を使う方法などを採用するケースが多い。

 パネル洗浄に関しては、洗浄機器の進歩などでサービス料金が低下したこともあり、汚れの激しいサイトによっては、洗浄による発電量の増加で、洗浄費用を早期に取り戻せるケースもあり、徐々に採用が増えている。

 システム設計の技術面に関しては、直流回路の1500V仕様を採用するサイトがさらに増えそうだ。PCSに加え、1500Vに対応した国内メーカー製パネルや、検査機器が製品化され始めたことで、国産製品での1500V設計と稼働後の検査が可能になってきた。

図9●岡山県で建設中の1500Vシステムのメガソーラー。1500V対応のトリナ・ソーラー製パネルと東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製PCSを採用
図9●岡山県で建設中の1500Vシステムのメガソーラー。1500V対応のトリナ・ソーラー製パネルと東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製PCSを採用
(出所:パシフィコ・エナジー)
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 一方、太陽光を巡る金融手法に関しては、ここにきて、「グリーンボンド」による資金調達が相次いでいる。「グリーンボンド」は、環境負荷を削減するプロジェクトに対して資金を募る債券で、ESG投資に熱心な金融機関や機関投資家が投資する。環境負荷の削減を担保するために外部機関がプロジェクト内容をレビューすることが一般的だ。

 国内でも、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、大和証券グループなど金融機関のほか、オリエントコーポレーションや芙蓉総合リース、東京センチュリーなどのノンバンク、大林組、丸井グループ、ANAホールディングスなどの事業会社が発行し、太陽光関連へのプロジェクトに活用する資金を調達している。

 世界的に見ると、欧州洋上風力などでは、プロジェクトファイナンスからグリーンボンドに移行することで、より資金調達コストを下げる動きもあり、国内でもこうした動きが活発することが予想される。