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東芝の登壇者。向かって右から順に、代表執行役副社長の綱川智氏、電力システム社 原子力事業部長の畠澤守氏
東芝の登壇者。向かって右から順に、代表執行役副社長の綱川智氏、電力システム社 原子力事業部長の畠澤守氏
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放医研の登壇者。向かって左から順に、重粒子医科学センター長の鎌田正氏、同センター 融合治療診断研究 プログラムリーダーの辻比呂志氏、同センター 物理工学部長の野田耕司氏
放医研の登壇者。向かって左から順に、重粒子医科学センター長の鎌田正氏、同センター 融合治療診断研究 プログラムリーダーの辻比呂志氏、同センター 物理工学部長の野田耕司氏
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回転ガントリーを導入した治療室
回転ガントリーを導入した治療室
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 東芝と放射線医学総合研究所(放医研)は2016年1月8日、がん腫瘍に対して360度の任意の方向から重粒子線を照射できる回転ガントリーを完成させ、放医研の新治療研究棟に設置したと発表した(プレスリリース)。重粒子線がん治療用の回転ガントリーとして世界で初めて超伝導磁石を採用し、大幅な小型・軽量化を実現した。同日、放医研で完成発表会を開催した。

 回転ガントリーではどの方向からでも重粒子線をピンポイントに照射できるため、治療台を傾ける必要がなくなり、患者の負担を減らせる(関連記事1)。脊髄や神経などの重要器官を避けて多方向から重粒子線を照射できることから、治療後の障害や副作用を低減しつつ、腫瘍に高線量を集中して治療効果を高められる。

 2016年3月までにビーム照射試験を実施し、2016年度中に治療を始める予定。腫瘍の形状に合わせてビームを“一筆書き”のように連続照射する「3次元スキャニング照射」、および呼吸に伴う腫瘍の動きに合わせてビームを照射する「X線呼吸同期」を組み合わせた治療にも対応できる。

 発表会に登壇した東芝 代表執行役副社長の綱川智氏は「普及型装置として、日本だけでなく世界にも供給して医療に貢献したい」と述べた。同社が重粒子線治療装置を受注し、2019年10月の治療開始を予定している山形大学には、回転ガントリーを備えたシステムを納入予定という(関連記事2)。