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 九州大学と新日鉄住金は、自動車の車体などに使われる鋼板の1つである複合組織鋼(DP鋼)について、破壊される際のメカニズムについて解明する画像解析手法を開発した(ニュースリリース)。九州大学大学院・工学研究院の戸田裕之主幹教授と、新日鐵住金・技術開発本部鋼研究所の東昌史主幹研究員らの共同研究グループが発表した。

複雑に絡み合う様子を示すDP鋼の組織(ステンレス鋼)の3D観察例。九州大学のデータ
複雑に絡み合う様子を示すDP鋼の組織(ステンレス鋼)の3D観察例。九州大学のデータ
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 DP鋼は、シリコンやマンガンなどの元素を鋼に添加して、軟らかいフェライト中に硬いマルテンサイトが分散した複雑な組織を作る。強度と加工性を兼ね備える素材として、自動車の車体などに広く利用されているものの、破壊のプロセスについては、統一された理解に至っていなかったという。今回、大型シンクロトロン放射光施設「SPring-8」(兵庫県・佐用町)において、カメラで連写するように3D(3次元)画像を連続的に取得し、物体の変化を記録する4D観察と呼ぶ手法を用いて、破壊の様子を確認した。あわせて、4D画像の解析により、実際に破壊の引き金となったDP鋼の組織の特徴を、具体的に特定する画像解析手法を新たに開発したという。

DP鋼の破壊プロセスをSPring-8でCTを利用し、4D観察した結果。23.9%ほど引っ張った時に高密度な空隙(赤色)が発生し、そのいくつかが急激に成長している。九州大学のデータ
DP鋼の破壊プロセスをSPring-8でCTを利用し、4D観察した結果。23.9%ほど引っ張った時に高密度な空隙(赤色)が発生し、そのいくつかが急激に成長している。九州大学のデータ
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