太陽光発電を需給バランスに対応できる電源に
太陽光発電を需給バランスに対応できる電源に
米国全体で今後、合計出力数百GWの太陽光発電の新規開発につなげる(出所:米国エネルギー省)
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 米国エネルギー省(DOE)は1月19日、国内の電力網の柔軟性や信頼性、セキュリティを向上する施策の一環として、6件・合計1800万米ドルのプロジェクトを発表した。

 日没後や曇天時など、太陽光発電の出力がなくなったり低下した時に、家庭に電力の供給を続けるためのエネルギー貯蔵技術を組み込むことを目的とする。電力網全体に統合でき、かつ、費用対効果の高い太陽光発電とエネルギー貯蔵技術の開発や、その実証に取り組む。

 今回の電力網の近代化、蓄電池の導入を強化する取り組みは、DOEが進めている太陽光発電導入プログラム「SunShot Initiative」内で実施する。

 国内の電力網の信頼性を確保しつつ、電力の需要を満たすために、太陽光発電を昼夜を問わず、需給バランスの迅速な調整にも使える電源にしていくと強調している。

 今回のプロジェクトにより、現在よりもはるかに多くの量の太陽光発電を、米国全体の電力網に導入できる手法を確立するとしている。低コスト、かつ、電力網に持続可能な形で統合できるようにする。

 DOEによると、米国では2015年に太陽光発電、スマートグリッド技術の導入が加速したものの、気候変動やクリーンエネルギーに関する目標を実現するには、より多くの導入が求められているとする。

 そこでは、エネルギー貯蔵技術、高度なパワーコンディショナー(PCS)、需要の管理、低コストな太陽光発電設備、信頼性の高い電力網への統合技術が必要で、その開発を主導するとしている。

 採択した6件では、インターネットで通信するPCSを使い、スマートビル、スマート家電、ユーティリティ(社会インフラ)の通信・制御システムと連係して動作させる。いずれも、電力会社が主導したり、主要な提携企業として関わる。少なくとも、実際の環境で1年間の実証を経て、今後、米国全体で合計出力数百GWの太陽光発電の導入につなげていくとする。6件は以下の通り。

・Austin Energy社(テキサス州):430万米ドルを獲得し、分散型の太陽光発電所の導入に必要な標準的な管理システムや技術に取り組む。

・カーネギーメロン大学(ピッツバーグ州):100万米ドルを獲得し、統合型スマートPCS(integrate smart inverter)、エネルギー貯蔵、家庭向けの自動制御コントローラ(commercial off-the-shelf home automation controller)、スマートサーモスタット向けの制御システムを開発する。

・Commonwealth Edison社(イリノイ州):400万米ドルを獲得し、マイクログリッド内の他の関連設備と相互補完的に稼働する、太陽光発電用のスマートPCS、蓄電池システムに取り組む。

・電力研究所(Electric Power Research Institute、テネシー州):310万米ドルを獲得し、太陽光発電、負荷管理や蓄電池を電力網に統合するための、五つの設備の設計、開発、デモンストレーションを担当する。

・フラウンホーファー米国センター・持続可能エネルギーシステム部門(Fraunhofer USA Center for Sustainable Energy Systems、マサチューセッツ州):350万米ドルを獲得し、グローバル日時計システム(SunDial Global Scheduler system)を使い、太陽光発電と蓄電池、工場の負荷管理システムを統合する技術の開発と実証に取り組む。

・Hawaiian Electric社(ハワイ州):240万米ドルを獲得し、分散型の再生可能エネルギーの増加に最適な配電システムや制御技術の可視化と利点の実証を手掛ける。