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 米Stanford Universityの研究グループは2017年1月25日、ディープラーニング(深層学習)を使い、皮膚がんを画像から皮膚科医並みの精度で判定することに成功したと発表した。スマートフォンなどを使った、日常的な皮膚がんスクリーニングに応用したい考え。英科学誌「Nature」の1月25日号に成果が掲載された。

 米国では毎年約540万人が新たに皮膚がんと診断されるという。このうちメラノーマ(悪性黒色腫)では、最も早いステージで発見された場合の5年生存率が97%と高いのに対し、最も進んだステージで発見された場合の5年生存率は14%に落ちるという。そのため、早期発見が重要になる。

 今回の手法は、米Google社が開発したディープラーニングのアルゴリズムを応用したもの。約1000カテゴリーの128万件に及ぶ画像を学習させたアルゴリズムで、「猫」と「犬」の区別などが可能だ。研究グループはこれを「カルチノーマ」「メラノーマ」「良性腫瘍」などの判定に使えるようにするために、皮膚病変の画像を大量に学習させた。約2000種類の疾患をカバーする13万件の皮膚病変の画像をインターネットから集め、学習させたという。

 開発したアルゴリズムの検証に当たっては、生検によって確定診断のついたカルチノーマやメラノーマの画像データを利用。21人の皮膚科医にも同じ画像データを判定してもらい、その結果をアルゴリズムによる判定結果と比べた。検証は(1)カルチノーマの分類、(2)メラノーマの分類、(3)携帯型顕微鏡で見たメラノーマの分類、という3つのタスクで行い、感度-特異度曲線を使ってアルゴリズムの判定精度を評価した。その結果、感度-特異度曲線の91%以上の領域で、アルゴリズムと皮膚科医の判定が一致したという。

 開発したアルゴリズムをスマートフォンなどに実装することは技術的にはさほど難しくないという。ただし実用化に向けては、臨床現場での検証を重ねることが必要としている。