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 売上高の7割以上をカーナビやオーディオといった車載インフォテイメント機器で稼ぐ富士通テンが、自動運転車やコネクテッドカー(つながるクルマ)に向けた技術開発を加速させている。“カーナビ屋”からの転身を図れるか。同社執行役員でVICT事業本部長を務める高橋淳二氏に戦略を聞いた。

富士通テン執行役員 VICT事業本部長の高橋淳二氏
富士通テン執行役員 VICT事業本部長の高橋淳二氏
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——富士通テンが目指していく方向は。

 2016年4月に「VICT事業本部」を設立した。VICTとは、Vehicle Information and Communication Technologyの略で、「安心・安全」を軸に、クルマの利便性や快適性を高めていく技術を扱う。ミリ波レーダーなどADAS(先進運転支援システム)向けのセンサーを担当する事業部と、テレマティクスやITS(高度道路情報システム)の技術本部、そして先行開発を進める部署を統合した。

 足元ではADASやテレマティクスがクルマに搭載されてきているが、その先には自動運転やコネクテッドカーがある。2020年以降に向けて、技術や製品の開発を進めていく。コアになるのは、これまでの事業で高い信頼性を実現してきた車載機のノウハウと、富士通グループが持つ情報処理技術だ。この両者を組み合わせていく。

——具体的に、どのような技術開発を進めているのか。

 ADAS向けのセンサーは、OTA(over the air:ソフトウエアの遠隔更新機能)に対応させてアルゴリズムを書き換えらえるようにしていきたい。すでに開発に着手している。物体の検出能力を高めるなど、センサーの特性を変えられるようになる。万が一、センサーに不具合があった時もOTAで書き換えて対応する。

 実は、センサーへの導入に先行して、ドライブレコーダーにはOTAの仕組みを持たせている。このドライブレコーダーは事業者向けに納めているもので、トラックの運行記録をセンター(クラウド)に集める用途で使われている。機能の追加を想定してOTAを盛り込んだ。今後、積極的にソフトウエアを更新して利便性を高めていく。