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図1●PolarFireのパッケージ写真
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図2●PolarFireの位置付け
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図3●日経エレクトロニクスによる取材に応じたMicrosemi社のBruce Weyer氏(Vice President & Business Unit Manager, SoC Products Group:右)とShakeel Peera氏(Senior Director of Product Line Marketing, SoC Products Group:左)
図3●日経エレクトロニクスによる取材に応じたMicrosemi社のBruce Weyer氏(Vice President & Business Unit Manager, SoC Products Group:右)とShakeel Peera氏(Senior Director of Product Line Marketing, SoC Products Group:左)
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 米Microsemi社は、競合他社品に比べて消費電力が最大50%低いミドルレンジFPGAの新製品「PolarFire」を発表した。12.7Gビット/秒のSerDesトランシーバーを搭載しながら、「ミドルレンジの集積度で業界最低水準の消費電力と、同レンジとして最高のセキュリティーおよび信頼性を実現する」(同社)と主張する。

 有線アクセスネットワークおよび携帯電話インフラストラクチャ、防衛、商用航空のほか、産業オートメーション、IoT(Internet of Things)市場を含むインダストリー4.0の幅広いアプリケーションに向ける。日経エレクトロニクスの取材に応じたMicrosemi社Vice President & Business Unit Manager, SoC Products GroupのBruce Weyer氏は「今回発表したPolarFireにより、従来のミドルレンジFPGAに対する市場の認識が一新されるだろう」と自信を見せる。今回のPolarFireで、不揮発性FPGAのメリットをそのまま維持しながら、「10Gビット/秒のトランシーバーを搭載したSRAM FPGAをしのぐ消費電力およびコスト面でのメリットを初めて実現した」(Bruce Weyer氏)という。

Cypressと提携してSONOSプロセスを活用

 PolarFireの総消費電力(スタティック+ダイナミック)は、競合他社のミドルレンジFPGAに比べて最大50%削減できるとする。最も効いているのが、PolarFireでは不揮発性プロセスにより非常に低いスタティック電力を実現できることである。他社品では「エキゾチックなプロセス技術を使用してもSRAMのスタティック電力が非常に大きい」(Microsemi社)。加えて、突入電力に関しても、他社品ではSRAMの初期化時の消費電流が大きいのに対して、PolarFireでは無視できるほど低いとする。

 Microsemi社によれば、PolarFireはコスト競争力の点でも、「high-K/メタル・ゲートやFinFETを利用した競合の大手メーカーの製品より優位」(Microsemi社, Senior Director of Product Line Marketing, SoC Products GroupのShakeel Peera氏)と強調する。その最大の理由は、標準CMOSベースの28nm世代のSONOS(silicon oxide nitride oxide silicon)不揮発性プロセス技術を使用しているためという。同社はこれまでは浮遊ゲート・ベースの不揮発性FPGAプロセスを使用してきたが、今回のPolarFireでは米Cypress Semiconductor社と提携して導入したSONOSプロセスを活用する。これにより、標準CMOSプロセスに最少の追加マスク数で不揮発性FPGAを実現できること、および浮遊ゲート・プロセスに比べて小さいチャージ・ポンプを利用できるといったコストメリットがあるとする。