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 急成長する中国液晶パネルメーカーで最大手のBOE Technology Group社。2015年10月の展示会「CEATEC JAPAN 2015」ではCEATEC AWARD 2015のライフスタイル・イノベーション部門グランプリを受賞するなど、日本での存在感も高まっている。積極果敢な投資計画で液晶世界一の座を射程に捉えたが、足下では、液晶パネル市場が供給過剰の局面に入る。難局が予想される中で、BOE社はどのように事業の舵取りをしていくのか。同社の副総経理であり、日本法人のBOEジャパンの代表取締役社長である久保島力氏に話を聞いた。(聞き手は、田中直樹)

――液晶産業における中国、特にBOE社の勢いには目を見張ります。

中国BOE Technology Group社 副総経理/BOEジャパン 代表取締役社長 久保島力氏
中国BOE Technology Group社 副総経理/BOEジャパン 代表取締役社長 久保島力氏
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 スマートフォン向けの世界シェアは2014年に20%、タブレット端末向けでは同31%と、それぞれ世界トップになりました。世界中のスマホの5台に1台、タブレット端末の約3台に1台には、BOE社の液晶パネルが載っていることになります。我々は、中国液晶パネルメーカーでトップの出荷高を挙げています。1.2型から110型まで、広範囲にわたる様々な用途の液晶パネルを開発、生産しているのが特徴です。

 このようなBOE社の液晶パネルを日本の顧客企業に供給する際の窓口を担っているのが、日本法人のBOEジャパンです。また、日本市場に合った企画、マーケティング、調達も実行しています。これらは、液晶パネル以外についても同様です。

――矢継ぎ早に新工場を建設しています。

 2014年第1四半期に安徽省合肥市、2015年第1四半期に四川省重慶市で、それぞれ第8.5世代工場を稼働しました。2016年は四川省成都市で、低温多結晶Si(LTPS)技術を使った第6世代工場を立ち上げます。2016年、中国大陸の液晶パネル生産能力全体のうち、BOE社は39%を占める見込みです(面積ベース、海外メーカーの中国工場を含む)。さらに、2017年は福建省福州市で第8.5世代工場、2018年は合肥市で第10.5世代工場を稼働させる計画です。

 合肥市の第10.5世代工場は2015年12月2日に着工しました。敷地面積は東京ドーム17個分です。総投資額は400億人民元(約7000億円)で、2018年第2四半期に生産を開始します。最大の特徴は、3370mm×2940mmという世界最大寸法のガラス基板を使うため、特に75型や65型の液晶パネルの生産効率が高いことです。2018~2020年には65型級の液晶パネルの需要が旺盛になるとみています。2021年には、60型以上の液晶パネル需要が2000万m2に達するという、市場調査会社(米IHS社)のデータもあります。

 我々は、第4.5世代、第5世代、第6世代、第8.5世代と、ほとんどのガラス基板サイズの工場を持っています。これにより、様々な画面サイズのパネルを効率良く生産できます。主要工場のうち唯一持っていないのが第7.5世代です。これは39型や43型のパネルを効率良く生産できる工場ですが、我々が着工した第10.5世代ではこれらのパネルの生産効率も高いので、ほぼ全サイズのパネルに対応できるようになります。