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PET活用し効果高める

 国がんが導入したのは、中性子源として従来の原子炉に代えて加速器を採用し、病院に設置可能としたBNCTシステム。日立製作所子会社の米AccSys Technology社の直線加速器に、CICS(東京都)が開発したターゲットを組み合わせた。

 ターゲット材にLi(リチウム)を使うことで、人体への悪影響が懸念される高速中性子の混在を減らした点が最大の特徴だ。Liターゲットは、照射する陽子ビームのエネルギーが低くても中性子を発生しやすい性質がある。そのため中性子を減速しやすく、高速中性子の発生を抑えられる。システムの小型化も可能となり、直線加速器の長さを約4mに抑えるとともに、ターゲットを含む照射部も天吊り式にできた。

直線加速器。画面奥で陽子ビームを下側に曲げ、1フロア下にある治療室へビームを導く
直線加速器。画面奥で陽子ビームを下側に曲げ、1フロア下にある治療室へビームを導く
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 ホウ素を含む専用薬剤の「がんへの集積を事前にPET(陽電子放射断層撮影装置)で評価し、BNCTの治療効果を事前に予測する」(伊丹氏)取り組みにも力を入れる。薬剤の集積度が高く、高い治療効果を見込めるタイプのがんと、そうでないタイプが存在すると考えられるからだ。PET-MRI装置を使ってがんへの薬剤集積を3次元的に評価したり、DDS(drug delivery systems)の手法で集積選択性のより高い薬剤を開発したりすることも計画しているという。