「遠隔医療相談」には適用されない
(2)のオンライン診療の提供体制に関する事項については、「医師の所在」「患者の所在」「通信環境(情報セキュリティ・利用端末)」に関する内容を提示した。例えば、医師の所在について最低限遵守する事項として、「患者の急病急変時に適切に対応するため、患者が速やかにアクセスできる医療機関において直接の対面診療を行える体制を整えておくこと」などとした。
(3)のその他オンライン診療に関連する事項については、「医師教育/患者教育」「質評価/フィードバック」「エビデンスの蓄積」について、遵守すべき内容を挙げている。例えば医師教育/患者教育に関して、検討会委員からはオンライン診療に関する医療者向け研修を実施すべきとの要望が出た。厚生労働省は、そのための環境整備を検討していくという。
今回のガイドラインは、オンライン診療のほかに「オンライン受診勧奨」にも適用される。オンライン受診勧奨は「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して患者の診察を行い、医療機関への受診勧奨をリアルタイムで行う行為」と定義する。診断や治療は行えないものの、受診すべき適切な診療科を選択するなどの医学的判断を行うことは許される。ただし、(1)のオンライン診療の提供に関する事項のうちの「適用対象」「診療計画」「薬剤処方・管理」は適用外とする。
このほか、遠隔医療のうち、情報通信機器でのやりとりを伴うが、一般的な情報提供にとどまり、医師による医学的判断を伴わないものは「遠隔医療相談」と定義する。今回のガイドラインは、遠隔医療相談には適用されない。