「入札制への移行」がセット

 エネ庁では現在、「日本版コネクト&マネージ」によって、系統接続の確保や系統コストの削減に取り組んでいる(関連記事)。エネ庁では、こうした系統運用改革の成果を洋上風力にも適用することや、環境アセスメント手続きの迅速化などを通じて、洋上風力を後押しすることを公表している。こうした国のバックアップによって再エネの導入環境を整えたうえで民間の発電事業者を募る仕組みを「セントラル方式」と呼ぶ。

 エネ庁は、セントラル方式と入札制度を組み合わせることで、洋上風力の普及促進とコスト低下を両立させる方針だ。

閣議決定した海域利用ルールのイメージ
閣議決定した海域利用ルールのイメージ
(出所:資源エネルギー庁)
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 現在、日本では港湾区域に2MW、一般海域で18MWの洋上風力が稼働している。環境アセス手続き中の案件は港湾区域で570MW、一般海域で3760MW(3.76GW)に達する。FIT認定案件は、港湾で103MW、一般海域で24MWとなっている。

 今後、一般海域の洋上風力プロジェクトについては、新たな利用ルールの適用を受けて入札制に移行するか、条例による占有許可の更新を前提に既定の売電単価(36円/kWh)で事業化するのか、苦渋の選択を迫られることになりそうだ。入札制度を嫌って既存の仕組みを選ぶ事業者が出てきた場合、一般海域で2つのスキームが併存することになる。

 政府は、2030年のベストミックスで、風力発電全体の導入容量を2016年度の約3.3GWから、2030年度に約10GWに拡大させる方針だ。ただ、洋上風力だけですでに3~4GW、陸上を含めると16GWを超える計画があることを考えると、ベストミックスの目標値を上回る可能性が高くなっている。