モロッコで世界最大のCSP発電所

モロッコにおける世界最大のCSP発電プロジェクト
モロッコにおける世界最大のCSP発電プロジェクト
(出所:ACWA Power International社)
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 ACWA Power International社は、モロッコの砂漠地域にあるワルザザート郊外において、世界最大のCSP発電所「Noor」を開発している。三つのフェーズに分けて開発しており、合計出力は510MWとなる。

 投資額は30億ドルで、2018年までに全フェーズが完成し、稼働後はモロッコの110万人の消費電力を賄うのに十分な量を発電する。発電能力は、モロッコの全電源の5%を占める規模になる。

 蓄熱によって、夜間でも7時間、発電できる設備としている。

 第1フェーズの出力160MWは、すでに稼働している。昼間のほか、夜も3時間発電している。

 地域への経済効果も大きいことを強調した。第1フェーズの出力160MWだけでも、産業の現地化で30%、直接投資分で2.5億ドルの地域経済への貢献があったとする。

 施工のピーク時には1800人分、O&M(運用・保守)では正規雇用と専門職で70人の雇用が、それぞれ現地で生まれた。第2・第3フェーズでは、さらに現地における経済効果が高まるという。

 パドマナサン社長によると、こうした大規模な再エネ発電所の導入によって、再エネ電力のコストはさらに下がるとともに、化石燃料の使用量が減る。サウジアラビアのような世界有数の産油国でも、この利点が大きいのだから、化石燃料を輸入して、電力を生むためにただ燃やして消費している国では、さらに効果が大きいはずだと指摘する。

 第1フェーズの出力160MWのCSPの稼働によって、格付け会社のムーディーズは、モロッコにとって、100万tの石油の輸入を減らす効果を生み、その分の燃料購入費が流出しないことで、GDP(国内総生産)を0.3%引き上げ、モロッコの国際競争力を高めると指摘したという。

 このように、中東・北アフリカ(MENA)地域では、再エネ導入が進んでいる。再エネ発電に向く地域であるほかにも、透明性の高い入札システムなど、平等で公平な土壌で競争できること、各国の導入促進政策、流動性が高く、ベースとなる金利レートが低い金融も後押ししているという。

サウジアラビアの再エネ導入計画
サウジアラビアの再エネ導入計画
(出所:ACWA Power International社)
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 サウジアラビアでも、再エネの導入目標を掲げている。2023年までに合計出力9.5GWを連系する。入札によって導入し、すべて民間企業が所有・運営する発電所で実現するとしている。

 これらの再エネ電力は、省庁再編によって石油鉱物資源省から改称された、エネルギー・産業・鉱物資源省の自然エネルギー局が調達する。

 中間的な目標として、2020年までに合計出力3.45GWを連系する。ゼロの段階から、急速に導入していく目標となっている。

 その後も、「2030年に、少なくとも30GW」という目標があることを紹介した。「少なくとも」という点がポイントで、実際には、それ以上に拡大する見込みがあるようだ。

中東・アフリカで1GWを導入
中東・アフリカで1GWを導入
(出所:ACWA Power International社)
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 ACWA Power International社では、合計出力1GW(1000MW)以上の再エネ発電所を開発・運営する方針を持つ。

 モロッコで合計出力630MWのほか、アラブ首長国連邦(UAE)で同200MW、ヨルダンで同100MW、南アフリカで同150MWなどを計画している。