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開発品「CX1008」の外観と仕様
開発品「CX1008」の外観と仕様
サンプル出荷開始は2017年5月。
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既存の水晶振動子の製造手法
既存の水晶振動子の製造手法
サンプル出荷開始は2017年5月。
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今回の水晶振動子の製造手法
今回の水晶振動子の製造手法
サンプル出荷開始は2017年5月。
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高精度加工で小型化が可能に
高精度加工で小型化が可能に
サンプル出荷開始は2017年5月。
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 京セラクリスタルデバイスは、外形寸法が1mm×0.8mm(厚みは0.3mm)と「世界最小」(同社)の水晶振動子を開発、2017年度中に量産する。小型化によって高い寸法精度が必要となるため、大阪大学と共同開発したプラズマ加工技術を新たに導入した。小型化が求められるスマートフォンやIoT(Internet of Things)機器への搭載を狙う。

 同社は、外形寸法が1.2mm×1mmの「1210型」の水晶振動子を製品化しているが、さらなる小型化を進めるためには製造手法の一新が必要と判断した。ここ数年、シリコン(Si)ウエハーと半導体製造手法の活用で小型化させているMEMS振動子・発振器が市場での存在感を増しており、対抗する狙いもあるとみられる(関連記事1「水晶の完全代替なるか、MEMS発振器の実力」、関連記事2「MEMS発振器が水晶を侵食」)。

 今回の開発品は、水晶片を板状のウエハーに成形した後、ICやMEMS発振器と同様に、ウエハーのまま加工する。既存の製造手法では、ウエハーからチップに切り出してから加工していた。ウエハー加工では、大阪大学と共同開発の表面処理手法で厚みを一定にしてから、露光とエッチングによって特定の形状(今回はメサ構造)に加工したり電極を付けたりする。

 ウエハーの表面処理に新しい手法を採用したのは、ウエハー厚のばらつきが水晶振動子の小型化の課題となっていたためだ。今回の水晶振動子では、厚み方向にかけた電圧によって振動(すべり振動)を生じさせており、この共振周波数は厚みで決まる。厚みに設計寸法との誤差があると、共振周波数以外の周波数でも共振(副振動)が発生する恐れがある。小型化すると、副振動が生じない加工寸法マージンが小さくなる。既存の製造手法では、十分な加工寸法マージンを得ることが難しかった。