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 慶応義塾大学 医学部の研究グループは、心臓カテーテル治療後の腎機能障害の発症を、日本人において高い精度で予測できることを明らかにした(プレスリリース)。米国で開発された、カルテ上の患者情報から発症を予測する「統計的リスクモデル」を使う。同大学 医学部 循環器内科学教室 助教の猪原拓氏と教授の福田恵一氏らの成果である。

 心臓カテーテル治療は狭心症や心筋梗塞の治療で中心的な役割を担い、日本では年間20万件以上が実施されている。一方、治療で使われる造影剤が原因で、10%前後の患者に腎機能障害が合併するという問題がある。

 この状況に対して米国では、複数の臨床情報から発症を高い精度で予測するリスクモデルを、全国規模のデータベース(National Cardiovascualar Database Registry:NCDR)を使って開発した。今回は、このリスクモデルを使って日本人の腎機能障害の発症をどの程度正確に予測できるかを検証した。慶応義塾大学病院および関連15施設で心臓カテーテル治療を行った約1万1000人の手術情報を利用している。

 その結果、しきい値の変更など適切な統計的補正を行うことで、このリスクモデルが日本人においても高い精度で発症を予測することが示されたという。心臓カテーテル治療の前に予防策を講じ、腎機能障害発症を低減することにつながる。今後、今回のリスクモデルを活用して、腎機能障害の発症をどの程度低減できるかを検証する。