村内巡回バスの出発式
村内巡回バスの出発式
(出所:日経BP)
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かえるかわうち・再興支援バス
かえるかわうち・再興支援バス
(出所:日経BP)
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「かえるかわうちメガソーラー発電所」
「かえるかわうちメガソーラー発電所」
(出所:日経BP)
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 4月3日、福島県川内村でワゴン車を使った無料の村内巡回バスの運行が始まり、出発式が開催された。

 同村は、福島第1原発事故による避難区域が昨年6月にすべて解消され、現在までに村民2740人のうち約7割が帰村している。巡回バスは、村内の住宅と商業施設などを結ぶ8ルートを日替わりで回り、住民の利便性を高める狙いがある。

 巡回バスの名称は「かえるかわうち・ふるさと再興バス」。再生可能エネルギーなどを手掛けるベンチャー企業、エナジア(郡山市)が運行する。

 同社は昨年2月に出力2.6MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「かえるかわうちメガソーラー発電所」を稼働した。同発電所の売電収益の5~6%に当たる年間約560万円を「再興バス」の運営費に充てる。メガソーラーは固定価格買取制度(FIT)を使って売電しており、バスの運行は売電期間と同じ、20年間を予定している。

 「かえるかわうちメガソーラー発電所」は、経済産業省の「再生可能エネルギー発電設備等導入推進復興支援補助金(半農半エネモデル等推進事業)」に採択され、総事業費約7億円のうち約2億円を補助金で賄った。それに伴い、売電益から20年間で約1億円を「かえるかわうち再興支援バス運行事業」に充てることになっていた。

 メガソーラー事業は、東邦銀行の「とうほう・次世代創業支援ファンド」から5000万円の出資を受け、残りは、エナジアが、同銀行から資金調達した。エナジアは、福島ミドリ安全(福島県郡山市)の白石昇央社長が設立したベンチャー企業で、再エネを活用した地域エネルギー事業の開発・運営を展開している。

 運行の始まった復興バスは14人乗りで、土曜・日曜を除き午前・午後に1便ずつ運行する。村内の商店街や保健福祉複合施設、村役場などを巡回する。利用の見込まれる高齢者の個人宅前にも停車する。すでに運行している村営のバスを補完する役割となる。

 「かえるかわうちメガソーラー発電所」の発電量は、見込みよりも約5%上回るなど、順調という。同発電所は、福島第1原発から約15kmの距離にあり、原発事故後、牧草地として利用できない村有地を活用した。発電設備は、シャープが施工し、同社製太陽光パネルと東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を設置した(関連記事)。