まず、2017年秋に各地で大きな被害が生じた二つの台風の接近・上陸に際しての対応である。

 同年9月の台風18号では、大きな被害が生じた都道府県に対して、同年10月の台風21号では、全都道府県に対して、損壊パネルによる感電などの危険性や地域住民などへの注意喚起、迅速な感電などの防止措置や損壊パネルの適切な保管・処理の実施について、市町村・事業者への周知を求める通知を発した。

 同年11月には、東北地方環境事務所における災害廃棄物対策東北ブロック協議会において、総務省による勧告について説明し、今後も各地の同様の協議会などを通じて周知していく。この協議会は、地方環境事務所の管轄区域内における都道府県、政令指定市などの間で、災害時の廃棄物対策の情報を共有する目的で開催されている。

 また、平常からの備えとして、都道府県・市町村における災害廃棄物処理計画の作成に資する目的で、災害廃棄物対策の留意事項などをまとめた 「災害廃棄物対策指針」の改定時に、損壊パネルなどの撤去における注意点を盛り込む。2018年夏ころに公表する予定で、都道府県などに周知する。太陽光発電設備関連の法制度や保管・処理の留意事項などを整理した環境省のガイドラインにも、損壊パネルの取扱いや留意事項を追記する。

 二つ目の勧告内容は、使用済みパネルの適正処理・リサイクルに関するものである。

 使用済みパネルは、排出の実態からほとんどが産業廃棄物に該当し、そこでは排出事業者が処理責任を負う。しかし、調査では、パネルの有害物質に関する情報が、排出事業者から産廃処理業者に十分に提供されず、含有成分を未確認のまま、遮水設備のない安定型最終処分場に埋めた例が相次いだ。

 この背景として、「産廃処理業者が含有状況を確認するために、太陽光パネルメーカーに照会したところ、直接の購入者ではないことを理由に、メーカーが情報開示を拒否した」といった、パネルメーカーの姿勢が問われる対応も指摘された。

 このため、環境省と経産省に対し、今後の使用済みパネルの排出の増加も見据え、適正処理・リサイクルを確実に実施できるように、(1)関係事業者が使用済みパネルに関する有害物質の情報を容易に確認・入手できるよう措置し、関係事業者に周知すること、(2)その上で、有害物質関連の情報について、排出事業者から産廃処理業者への提供義務を明確化し、埋立処分の適切な方法を明示・周知すること、(3)使用済みパネルの回収・適正処理・リサイクルシステムの構築について、法制度の整備も含めて検討することを勧告した。

 この勧告に対して、両省は、(1)の有害物質情報を容易に確認・入手できる環境整備については、太陽光発電協会(JPEA)に要請した。JPEAは関連情報の提供に関するガイドラインを定め(関連ニュース)、これに基づいて太陽光パネルメーカー1社が、自社製の太陽光パネルが含む有害物質の含有率について、自社のwebサイトで開示した。今後もこうしたメーカーが増えるよう、働きかけていくとしている。

 2018年2月に改定された「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」では、使用済みパネルが最終処分される際の適正処理に必要な情報などが開示され、webサイトなどにより容易に確認できることを調達の判断基準に追加した。

 (2)の埋立処分の適切な方法については、現状の使用済みパネルの埋立処分の実態の把握や、有害物質情報の伝達の在り方を踏まえつつ、今後、使用済みパネルの性状などに応じて、適切な埋立処分の方法を検討していく。

 (3)の使用済みパネルを適正にリユース・リサイクル・処分するための施策については、リサイクルの実施状況や海外の動向を踏まえ、法整備も含め検討しているとする。

台風による水害で被災した結晶シリコン型太陽光パネル
台風による水害で被災した結晶シリコン型太陽光パネル
北海道帯広市の太陽光発電所の例(出所:日経BP)
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