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図 シェイプジェネレーターによる部品軽量化
図 シェイプジェネレーターによる部品軽量化
左の形状を元に軽量化を図ったものが中央と右の形状。
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 オートデスク(本社東京)は2016年4月6日、3D-CAD「Autodesk Inventor」の新版「同2017」を発売した。部品軽量化のための形状生成機能「シェイプジェネレーター」を強化した他、CADデータ交換用標準規格「STEP(ISO 10303)」のデータを参照しながら設計作業を進められる機能、設計結果を3D PDFとして書き出せる機能なども強化した。

 シェイプジェネレーターは、既存部品の形状データなどを初期形状として、応力の小さい部分を削ぎ落すなどして、強度などを確保したまま軽量化していく機能(関連記事)。ユーザーは取り付け穴の位置などの変更したくない部分や、隣の部品との境界部分のように外側にはみ出してはいけない部分などを指定し、さらに部品にかかる荷重を定義する。部品を何%軽量化したいかなどの目標値を指定すると、ソフトが条件を満たす形状を自動で作成する。

 新版では、軽量化に伴って部品形状の中に細く棒状の部分が出現したとき、その最小太さを指定できるようになった。シェイプジェネレーターは、その太さを守って、それより細い形状は生成しない。さらに、左右対称の形状などにしたい場合、平面に対して形状が対称になるよう拘束する指示ができる。使い勝手も改良し、例えば軽量化の目標値として、前バージョンまでは初期形状に対する相対的な比率で指定するだけだったが、新版では質量の絶対値で指定できるようになった。

 作成された新しい形状の3Dモデルは細かい多角形(ポリゴン)の集まり(ポリゴンメッシュ)になっている。そのまま3Dプリンターでの造形にも使えるが、CAD本来のソリッドモデルにするための機能もある。初期形状のソリッドモデルとポリゴンメッシュを同一空間で重ね合わせ、ポリゴンの位置を参考にしながらソリッドを編集することで、ポリゴンメッシュと同等形状のソリッドモデルを得られる。

 STEPのデータを参照できる機能は、Inventor以外のCADのデータを参照する「AnyCAD」機能の拡張。AnyCAD機能は、元のファイルと連携を保ったまま形状情報を取り込む機能で、ファイルを変換してから開く機能とは異なる。元ファイルの更新に応じて形状情報を更新していける特徴がある。3D PDFへの書き出し機能は、新版の機能強化内容のうち、既存ユーザーから最も多くの要望があったという。

 モデリング機能に関しては、形状作成の元になる線(スケッチ)を3D空間に直接描いていけるようにした。これまでは、他社製CADを含めて、たいていはスケッチ用の平面を定義して、その上でスケッチを描く必要があった。

 2次元図面を基に3Dモデルを作成する際に使う、AutoCADのネイティブデータ形式「DWG」の取り込み機能も強化した。DWGは実質的に2Dのデータ形式であり、二面図や三面図を表現したものであることが多いが、前バージョンまでは取り込んだDWGは1枚の平面に張り付けられるだけだった。新版では複数の面に張り付けることができ、かつ表示内容をクリッピングして、例えば正面に相対した面には正面図のみを表示させ、それと直交する面には側面図あるいは上面図のみを表示させる、といった操作が可能になる。

 価格は、年間使用料で28万9000円(税別)。Inventorにはこれまで2つの構成があり、通常版に対して基本的な解析機能、配管・配線機能、金型設計機能を加えた上位版の「同Professional」は価格が異なっていた。新版からはProfessional相当の構成に一本化し、同時に販売形態は期間を区切ったサブスクリプション(使用料)のみに限った。