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 富士フイルムは、雑音(映像のノイズ)を抑えた高鮮鋭なX線動画をリアルタイムで表示できる医療用X線動画技術を開発したと発表した。デジタルX線画像診断分野で培ってきた画像技術と、画像解析に伴う複雑で膨大な演算を高速で行う新開発の画像処理エンジンによって実現した。今後、同技術を外科用イメージへ搭載するなど、早期実用化を目指す考え。

 手術中にX線を継続的に照射して体内の様子を観察することができるX線動画は、整形外科や脳神経外科領域などの手術において患者の身体的負担を軽減するため、血管内のカテーテル治療など低侵襲な手技に用いられている。X線動画を用いて術中に患部の位置や状態を把握するために、高鮮鋭であることが求められているという。

 今回開発した医療用X線動画技術に活用している技術は大きく3つ。すなわち、(1)X線画像にランダムに生じる雑音を高精度に抽出する画像解析技術、(2)観察部位の動きを正確に検知する画像解析技術、(3)X線エネルギーの検出効率を向上させる画像読取技術、である。

 これらにより、前後のフレームに写っている観察部位を比較して、観察部位が動いた領域を高精度に検出。動いた領域の位置を重ね合わせてから加算平均を行い、鮮鋭性の低下を抑制する。また、雑音が増加しやすい線量の低い撮影であっても、フレーム毎の雑音を高精度に抽出する画像解析技術が、雑音の大幅な軽減に寄与するという。この一連の画像処理は、新たに開発した画像処理エンジンによって、約20ms/フレームという高速処理されるため、高鮮鋭なX線動画をリアルタイムで得ることを可能にしている。

 一般的に、X線動画の雑音を除去するには、動画を構成する連続的な静止画(フレーム)を単純に重ね合わせて、その平均値を元に画像処理を行う方法が用いられてきた。しかし、この方法はフレーム間で観察部位が動くと、観察部位が残像のように複数に見える、観察部位の鮮鋭性が低下する、といった課題があった。

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記事初出時、「約20μs/フレーム」とあったのは「約20ms/フレーム」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。