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図◎報道陣からの質問に答える三菱自動車社長の相川氏
図◎報道陣からの質問に答える三菱自動車社長の相川氏
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 「燃費をよく見せようという意図があったのは確かだが、なぜ不正までしてそうしたのかは分からない」。

 三菱自動車が軽自動車「eKワゴン」など4車種に対して行った燃費試験の不正問題(関連記事)。同社取締役社長兼最高執行責任者(COO)の相川哲郎氏は、不正が行われた理由を報道陣から問われてこう語った(図)。

 だが、取締役副社長で品質統括部長、開発担当の中尾龍吾氏は「スズキやダイハツ工業と比べて燃費競争で負けていた」と認め、その後、相川氏は「目標の設定が妥当だったかどうかを調査しなければならない」と述べた。三菱自動車が燃費不正を行った背景には、低燃費競争において競合他社に対して劣勢に甘んじていた焦りがあった可能性がある。

 同社が不正に操作したのは「走行抵抗値」だ。走行抵抗値とは、車両走行時の転がり抵抗と空気抵抗を足し合わせたもの。この走行抵抗値を、シャシーダイナモメーター(台上試験装置)にインプットしてクルマの燃費と排ガスを測定する。

 走行抵抗値は近似線で示されるという。本来は、ばらついた測定データ(走行抵抗データ)の中央値を2次曲線として近似する。ところが、三菱自動車はこの2次曲線を引く際に下方に位置するデータを使った。これにより、走行抵抗値を実際よりも小さくした。つまり、小さな走行抵抗値を得るために、あえて点群データのうち下方にあるものを選んだというわけだ。ただし、「データの分布から外れてはいない(注:データの改ざんではないという意味)」(中尾氏)という。