米S&C Electric社は6日、オハイオ州の北西部にあるミンスター村(Village of Minster)で同州では最大規模となる定置型蓄電池システム(ESS)の設置を完了したと発表した。この蓄電池は、隣接するメガソーラー(大規模太陽光発電所)に併設する形となる。
同メガソーラーの出力は4.2MW、ESSはLiイオン電池で構成しており、出力と容量はそれぞれ7MW、3MWhである。S&C社によると、米国の自治体が運営する電力事業としては初めての蓄電池併設型メガソーラーになるという。
メガソーラーとESSの設置と運用は、同村とHalf Moon Ventures(HMV)社との共同事業である。HMV社は、米国を中心に再生可能エネルギー・プロジェクトを展開している投資事業会社である。ロードアイランド州やニューヨーク州など東海岸を中心に、現在、全米で数カ所のメガソーラーを保有、運用している。
HMV社は、このESSを活用して系統網のアンシラリーサービス市場で周波数制御を行う計画という。オハイオ州など米国の東海岸地域ではPJM Interconnection社が系統網を維持・管理しており、顧客数は6000万件以上である。
一方ミンスター村は、同ESSによって電力品質の改善、送配電網のメンテナンス費用の軽減、ピーク需要のシフトといった利点を享受できるという。例えば、送配電網のメンテナンスでは、35万ドルもの費用を後ろ倒しできるとしている。
ミンスター村は、州都のコロンバス(Columbus)から北西に約150kmに位置し、人口は約2800人。米Smart Electric Power Alliance(SEPA)が今年4月に発表した太陽光の連系実績ランキングでは、顧客当たり設備容量で2104W/顧客と全米トップだった(関連記事)。