フランスのメジャー(国際石油資本)、トタル(Total)と蓄電池製造大手のSaft社は9日、トタルがSaft社を買収し子会社化することで合意したと発表した。トタルは金融市場庁(AMF)にSaft社の発行済み公開株式の全数に対して友好的公開買い付けを行う旨の申請を行ったとしている。

 両社の提案によると、トタルがSaft社の全株式を1株当たり36.5ユーロで買い付けるという。これにより、Saft社の株主資本は9億5000万ユーロの評価額となる。

 この買い付け価格は、Saft社の5月6日の株価26.4ユーロに38.3%のプレミアムを加えたものとなる。また、過去半年間および過去1年間のSaft社の加重平均株価に対しては、それぞれ41.9%、24.2%のプレミアムとなる。

 Saft社の監査役会は、トタルによる同社の友好的買収を全会一致で承認したという。

 トタルは2011年に太陽光パネル大手の米サンパワー(SunPower)を買収して傘下に収めている。今回、Saft社を買収し、完全子会社化することで、太陽光などの再生可能エネルギー事業を強化する狙いがある。

 今後、サンパワー社の太陽光パネルとSaft社のLiイオン電池を組み合わせ、再生可能エネルギーを多く活用したマイクログリッド・プロジェクトなどがグローバルで提案される可能性もある。