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実証実験の全体イメージ
実証実験の全体イメージ
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 NTTデータMSE、京都大学、熊本大学、NTTドコモは、着用することで心拍などの生体情報を取得できる「hitoe(ヒトエ)」活用した、運転手向けの眠気検知システムを共同で開発した。運送会社の協力のもと、同システムの有効性を検証する実証実験を2016年5月10日~同年8月31日の期間に実施する。

 今回のシステムでは、京都大学と熊本大学が新たに開発した眠気検知アルゴリズムを実装したNTTデータMSEのスマートフォン向け専用アプリを使用。専用アプリをインストールしたスマートフォンに、hitoeが取得した心拍データをNTTドコモの「hitoeトランスミッター01」で送信することで、夜間や長時間運転をする運転手の眠気を検知する。

 眠気を検知した場合は、運転手にアラートを通知するとともに、管理者にもメールで通知。これにより、運転手の居眠り運転などを未然に防ぐためのサポートを実現する。

 眠気検知アルゴリズムには、多変量統計的プロセス管理(MSPC)という工学的手法を採用。覚醒時の心拍パターンを正常とし、心拍間隔の平均や副交感神経の活性度など8種類の心拍変動指標と比較して眠気を判断する。運転手の心拍データはhitoeによって自然な状態で取得できることから運転を妨げないほか、心臓に近いところで計測することにより高精度のデータを取得できるとしている。

 今回の実証実験は、運転手と管理者への通知タイミングや通知方法の精度向上、商用化に向けた最適化が目的。将来的には、クラウド上に蓄積した過去の心拍データとの比較や傾向を把握する機能の追加や、車載器などの情報と連携した統合的なデータ解析のアルゴリズム開発により、運転手や管理者のさらなるサポートを目指す。