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 IHIは2016年5月10日、2016年3月期の連結決算を発表した。2015年3月期と比べて、売上高は6%増の1兆5393億円、営業利益は65%減の220億円、純利益は83%減の15億円だった。

 資源・エネルギー・環境セグメントと航空・宇宙・防衛セグメントは販売が伸びて増収となったものの、複数のセグメントで海外プロジェクトにおける品質問題が発生したことが利益を圧迫した。

 社会基盤・海洋セグメントにおけるF-LNG・海洋構造物の採算悪化、トルコのイズミット湾横断橋建設の追加工事費用の発生、資源・エネルギー・環境セグメントにおけるインドネシアのボイラー溶接不適合問題などが、営業利益を圧迫した。

 インドネシアのボイラー溶接不適合とイズミット湾横断橋の建設工事の問題による契約納期の遅延に関連して特別損失を計上したことが、純利益の大幅な減少につながった。

 IHI会長兼最高経営責任者(CEO)の斎藤保氏は、イズミット湾横断橋建設やボイラー溶接に関する多額の損失について、「これはIHIの根幹であるものづくりの問題。再発防止に努めている」と話した。同氏は新設する「ものづくりシステム戦略本部」でものづくり強化を目指した品質と業務システムの改革を進めると強調した。