ソーラーフロンティア製パネルを導入した農地の太陽光発電所の例
ソーラーフロンティア製パネルを導入した農地の太陽光発電所の例
(出所:エニルソ社)
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 太陽光パネルメーカーのソーラーフロンティア(東京都港区)は5月10日、メキシコの農地や住宅における太陽光発電プロジェクトに、同社のCIS(銅、インジウム、セレン)化合物型の太陽光パネルが採用されたと発表した。

 プロジェクトは、メキシコ北西部のソノラ州や周辺地域で実施する。エニルソ社が開発を手掛け、2016年第3四半期までに完工する予定。エニルソ社は、太陽光発電開発で急成長を続けているという。

 農地向けの太陽光発電所は、出力が200~500kWの規模となる。複数の農地に導入し、発電した電力は作物用の灌漑ポンプや、農産物の冷却・冷凍・産業用処理などに自家使用する。

 ソノラ州において、農業は主要な産業で、乾燥した気候に適したアスパラガスやブドウ、メロンなどの栽培が盛んという。

 これらの農地では、エネルギーの自給率向上やコスト削減を目指している。電力コストの低減によって得た資金を農耕具の購入などに充てることで、経営を安定化する狙いがある。

  エニルソ社の創業家は、農業を営んでいる。太陽光発電を農業に生かすことを構想し、2010年に小規模の太陽光発電プロジェクトに着手した。

 一方、住宅向けの太陽光発電システムは、出力が5~10kWの規模となる。導入した住宅では、電力の自家消費によって、電気代を大幅に削減できるとしている。

 CIS化合物型太陽光パネルは、ソノラ州の暑い気候においても出力ロスが抑えられるとしている。暑い地域で結晶シリコン系パネルを使った場合、高温時に発電効率が下がることが知られている。