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Wi-SUN FANでマルチホップ対応

 Cube Jは、もともと無線LANやBluetoothによる通信機能を備えている。Wi-SUN FANに対応することでIoTゲートウエー同士が多段中継伝送する「マルチホップ通信」の機能を追加でき、通信エリアの面的なカバー率を向上しやすくなる。また、BLE(Bluetooth Low Energy)搭載のセンサーデバイスが取得したデータをWi-SUN FANで送信できる形に変換して伝送することも可能。Wi-SUN FANは、通信周波数に920MHz帯を使用する。このため、無線LANとの干渉を気にせずに通信ネットワークを構築しやすいという。

想定している利用例(図:京都大学、ローム、日新システムズの発表資料から)
想定している利用例(図:京都大学、ローム、日新システムズの発表資料から)
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 ロームの説明員によると、今回デモに使用したWi-SUN FANに対応した通信モジュールは、既存のWi-SUNモジュールと、京大と日新システムズが新たに開発したソフトウエアを組み合わせて実現した。

 ロームは、より多くのメッシュネットワークを構築しやすくなるように、搭載するメモリー容量を増やしたWi-SUN FAN専用の新しい無線モジュールを開発中だ。2017年度内の完成を目指している。今回のIoTゲートウエーが製品化される際には、この専用モジュールが載る見込みという。

IoTゲートウエーの外観
IoTゲートウエーの外観
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 今回、台湾のベンチャー企業NextDrive社の製品が採用された理由を同社の説明員に聞いたところ「NextDrive社の顧客(電力会社)から、Wi-SUN対応のCubeについて要望があり、ロームにモジュールの開発を依頼した*3。今回、Wi-SUN FAN対応品にCubeが採用されたのはその流れ」という。今後、4者は商用化を目指して、Wi-SUNアライアンスと共同で開発を続けていく計画だ。

*3 NextDrive社のWi-SUN対応品については「Wi-SUN対応で日本市場開拓、アジア発のIoTゲートウエー」を参照。
Wi-SUN FANの概要を紹介したパネル
Wi-SUN FANの概要を紹介したパネル
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