ボタン押しリーダーにかざすだけ
同システムは、電子モジュールを内蔵した「毎日生活チェックカード」、記録を読み取るNFCカードリーダー、専用管理ソフトで構成される。毎日生活チェックカードは「服薬したか、食事をしたか、水分は摂取したか、睡眠は十分か」といった設問に対し、カード上のボタンを押すだけで個々の患者の服薬状況や生活習慣を時間とともに記録する。これをNFCカードリーダーにかざすと、管理ソフトを介して医療従事者がデータを閲覧できる。
記録したデータは管理ソフトで2次元コード化され、ラベルの状態で出力。この2次元コードをパソコンのカメラで読み取ることで、多職種間での情報共有がスムーズに実行できるという。
DNPは横浜薬科大学と共同で、2015年12月~2016年1月に同システムの実証実験を実施。クリニック通院型10人、訪問看護型10人、計20人の後期高齢者の患者を対象とした。その結果、生活習慣を定量的に把握できたことに加え、生活習慣を記録することで自らの健康状態に気をつけるきっかけになったとの声が出たという。スマートフォンやタブレット端末を介さず、カードのボタンを押すだけの平易な操作であることも、継続使用を後押ししたとする。
価格は20万円から。DNPでは、カード読み取り開発者用キット(SDK)の販売も視野に入れているという。